【米津真浩】がお贈りする気軽なクラシックコンサート【銭湯のピアニスト】

イベント

クラシックコンサート2.0は「銭湯」だ

皆さんはクラシックのイメージというとどういった物を想像するでしょうか?僕は「裕福・優雅・至高」という3キーワードです。全ての音楽のボス。圧倒的覇者。そして歴史。濃厚な歴史。と言わざるを得ないくらい厳格さを感じる。

それは制服でピシッと決めて、クラシックコンサートに課外授業で連れてってもらったことを思い出すからだ。

しかし、本来音楽に上下関係なんてない。どのジャンルをやっているからと言って、偉いわけではない。しかし、あまりにもこの「イメージ」という物は厄介で時に棲み分けを行なってしまう。

ちなみに皆さんは「お風呂で歌う」の好きですか?
僕は小さい頃から、お風呂で歌うのが好きでよく歌ってて、よく怒られました。でも好きなんですよね。あの反響音。カラオケでは味わえないあの空間。
あの空間は好きだけど、銭湯では人の目もあるし歌えなかった。あの広い空間で音楽をしたらどれほど気持ちいんだろう‥。
そしたらめちゃくちゃ面白い人たちがやろうとしているんですよ。しかもグランドピアノ入れて!

めちゃくちゃ面白そうやないかい!

そうして、僕は自然とメッセージを送ってました。
今回は8/18日(日)に開催される「銭湯のピアニスト」で演奏する米津真浩さんに話を聞いてきました!

ビールとかジェラートを飲み食いしながら、Tシャツ、短パンっていうスタイルで聴いているのがすごくいいな

米津真浩


1986年千葉県生まれのピアニスト。東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業。同大学大学院を首席で卒業。寺田栄子、高梨淳子、村上隆、弘中孝、Leonid Margariusの各氏に師事。大学院修了後、東京音楽大学非常勤助手を勤め、2013年・2014年度ローム・ミュージックファンデーション奨学生としてイタリアの名門イモラ音楽院へ留学。 リサイタル以外にも、テレビドラマ『花より男子』手の吹き替え、X JAPANディナーショーピアノ担当、仙台クラシックフェスティバル2011年・2012年出演、成田国際空港ロビーコンサート出演、2010年からは青少年文化センターのアーティストとして中高生を中心に音楽の素晴らしさを伝える活動をしている。

イッセイ
今日はよろしくおねがいします!早速何ですが、クラシックコンサートを銭湯でやっちゃう。その発想はどこからきたのでしょうか?
米津真浩
クラシックをやっていて感じるのが、「お客さんの層が広がらないな」っていうのを感じていました。僕と同じ世代の人はフジロックとかもっとポピュラーな音楽好きの人が多いけれども、その人たちがクラシックのコンサートに来るのかっていうとそうじゃない。そこにもどかしさを感じていましたし、同じ音楽なのになぜクラシックはハードルが高くなってしまうのかっていうのを考えていました。そんな時に宣材写真を撮ってくれたカメラマンさんに話していたところ「ダジャレコード」という音楽レーベルを紹介してもらいまして、ダジャレと組み合わせて何かイベントができないかなと思ったのがきっかけです。
イッセイ
すごいですね(笑)確かにダジャレっていうゆるさは米津さんの考える「敷居を下げる」というのは相性が良さそうです。そもそも銭湯でやるのってそもそもよくできたなっていうのがあるんですけど、その辺りはすぐ場所も見つかりましたか?
米津真浩
いえ、そこが一番、僕と運営で困ったところでした。とにかく銭湯をすごい探したんですよね。スチール(撮影)で使うのだったりっていうのは割とすぐ見つかるんです。でも、音楽イベントをやるっていうのになると、近隣からすぐにクレームが出るっていうので断られてばかりでしたね。銭湯っていう場所がもうすでに住宅街の中にポツンとあるもんじゃないですか。正直、アダルト撮影ができる場所でもダメでした(笑)そしたらスタッフの方がまさかのmixiの記事を頼りに、過去に音楽イベントをやっていた銭湯を見つけて、それが殿上湯さんだったんです。そこからすぐにトントンって決まったのにはビックリしましたね。
イッセイ
僕自身もやはりクラシックは「裕福な人の趣味」という感覚はどうしてもあります。もちろんそれがある種良さでもあるかなと思うのですが?
米津真浩
日本は特にそういうイメージが強いですし、僕もフォーマルな格好で聴くっていうのも好きなんですけどね。きっかけとしては、僕がイタリアに2年間留学した時、本当に町の中に音楽が溢れていたんです。クラシックの野外コンサートだってたくさんあったし、そこではビールとかジェラートを飲み食いしながら、Tシャツ、短パンっていうスタイルで聴いているのがすごくいいなって思って、そこから日本でもこういう光景が見れたらいいなっていのは考えてました。
イッセイ
実際に去年やって手応えはどうでしたか?
米津真浩
僕、小さい時は家があまり裕福ではなかったんですけど、毎日銭湯に通っていたんです。その時に銭湯で鼻歌を歌っているおじちゃんがいて、やたら響くなーとは思ってました。音楽家になった今は「銭湯で演奏したらどんな響きになるんだろう?」っていうのはジャンル関わらず、みんな考えることだし、実際にやってみても響きの良さにはビックリました。それに、あそこから実際のホールでのコンサートにも足を運んでくれた人もいて、いい効果があったんだなって思います。実際に来てたお客さんも「普段のコンサートの一番いい席よりもいい演奏が聴けた」って声も聞けたので、本当にやってよかったなと思いました。

昨年開催された銭湯のピアニストの様子

 

イッセイ
結構普段の会場とは違うと、やりにくさもあったりすると思うんです。特にクラシックコンサートってホールっていう広い会場でやる音楽かなとも思うので。
米津真浩
最初は不安もあったのですが、かなり銭湯ってクラシックと相性がいいんだと思います。クラシックのコンサートって基本的に「ホール」っていうイッセイさんが想像している広い会場か「サロン」っていう小さな会場のどちらかなんです。この「サロン」での演奏っていうのが天井が低いから音が響かないんです。クラシックって自然な残響音が心地よさに直結するんですよね。で、その理想の響きを得るための部屋の高さが9mあればいいって言われているんですけど、殿上湯さんの天井がだいたい9mくらいあるらしくて、条件がぴったり。コンサートホールだと「親近感」が足りないけど、音はいい。サロンは「親近感」はあるけど、音はイマイチ。その2つの弱点だった部分を補ってくれるのが銭湯だったんです。

銭湯のピアニストを「クラシックのイベント」にしたい

イッセイ
今回、銭湯のピアニストは2回目になるわけですが、前回の感じをわかったからこそ、今回はどういう挑戦をしてくんですか?
米津真浩
前回はどこまで音が響くのかわからなかったっていうのがあったので、選曲に集中していたのでそれ以外のところは考える余裕もなかったです(笑)でも、今回はゲストでオペラ歌手の水野友貴(みずのゆき)さんが出演してくれることになりました。僕がこのイベントをやりたいって思ったのも銭湯で鼻歌を歌っていたおっちゃんのイメージがあったんですが、銭湯で本気で声出す人っていないじゃないですか?だからこそ「プロのオペラ歌手が歌ったら、どうなるんだろう?」っていうのはずっと思っていたんです。鼻歌でさえ楽しみです。響きがいいってことがわかったからこそ、挑戦をしたいところです。
イッセイ
あくまでイタリアみたいに生活の一部になってほしいと思ってるんですね。
米津真浩
はい。そもそも日本の文化とクラシックって合ってないと思ってます。例えば電車で音楽を聴くときの音量ってどれも均一化されているんですけど、クラシックって音の強弱で表現することが多いんで、小さい音量のパートになったら音量あげるし、大きくなったら下げるし、めんどくさいんですよ。僕も電車の中でクラシック聴こうと思っても、よっぽど音質のいいノイズキャンセル機能のついたヘッドフォンじゃないと聴こえにくいんですよ。だからこそ、近場でクラシックが聴ける環境っていうのも用意していきたいんです。だから、このイベントが成功しても収益にはならないです。それは本業のピアニストであったり、運営をしていただくダジャレコードの皆さんも本職があってのイベントなので、ギリギリまでチケットも安くして、気軽に来てもらえるようにしています。それに前回よりもメディアの方が来てもらえるというのは大きいですね。どうしても理由があって来られない方もいらっしゃるので。
イッセイ
発信のほうにも力を入れているんですね。そういうパワーアップしたってことは1回目で苦労したところとかありましたか?
米津真浩
やはり慣れてない場所なので、曲目に気を使いましたね。響きすぎたら良さがなくなってしまう音楽もありますし、ピアノをどこに置くか、お客さんにどこに座ってもらうのかっていうのはすごく悩みました。「聴かせるのに最適な場所」を作っても「お客さんが座れない」ってなったらかわいそうなので(笑)

当日座っているのが観客の座席

イッセイ
最後に前回来た人、そして初めて今回来る人へメッセージをお願いします
米津真浩
今回、新しいスタッフ、そしてゲストを迎え、パワーアップした形で「銭湯のピアニスト」を行うことができます。井上さんを始めとするダジャレコードの方、殿上湯さん、そしてピアノを貸し出ししていただく橋下ピアノさん、皆さんのおかげでできるイベントだと思ってます。僕がやることは本当に当日精一杯鍵盤を弾くことです。僕自身、フォーマルな格好でのコンサートも好きですが、ぜひこの「銭湯のピアニスト」にはクラシックコンサートにまだ聴きに来たことが無い人たちこそ、来ていただきたいです。聴き方は自由でいいですし、何なら寝てしまっても構いません。銭湯に入りにいくくらいの気持ちで見に来ていただければと思います。

銭湯のピアニストではクラウドファンディングを行なっています

現在、銭湯のピアニストは8/15までの期間中、クラウドファンディングを行なっています。

当日のチケットやグッズも手に入るので、ぜひチェックしてください!

ダジャレコードでは皆様の応募もお待ちしています!

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