【slololis】と【cook look happening!】がこの国のシーンをつくるのか

インタビュー

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バンドは常に化学反応の連続で進化していく

 

僕が先日、YouTubeの海を漁っていたところ、即決で好みなバンドがいました。

名は「slololis」シューゲイズな音像に現代のポップスを混ぜたサウンドに一聴でやられました。

彼らのMVを観た時に生で観てみたいと思って、すぐにチケット買ったんです。

そしたら、ちょうど彼らともう1組のバンドのスプリットツアーのファイナルがあるとのことで、調べたらこちらもタイプ。

類は友を呼ぶんですね。そのバンドの名は「cook look happening!

ダンサブルなサウンドと心地いい英語詞のバンド。

そんな2組が気になって、このツアーでどういう進化を遂げたのか、これからどう進化していくのか

初めてライブハウスで「対談してほしい」とオファーしたのが始まりでした。

お互い意識し合う存在だった

 

イッセイ

先日のスプリットツアー「c is Beautifulツアー」お疲れさまでした!

2組は何をきっかけにスプリットツアーを始めることになったの?

 

伊藤

代々木のライブハウスでTransit My Youthってバンドとスロロリスが対バンしたんです。

その時に柏くんが観にきてくれたんですよ。

で、何となくツアーとか面白いことやりたいねーって話をしてました。

 

スロロリス

2014年10月より活動開始。
ポストロック、シューゲイザー等を中心に心地よいメロディ感をとりいれたサウンド。
2017/1/27に自身のレコ発「ALOHA NIGHT」を企画し盛況となった。
2017年夏、ROJACK SUMMER2017にて入賞。
同年夏、UKFC2017ファイナリストに選出。

 

早川

もともとスロロリスでツアーを回りたいとは考えていたんです。

でも、ツアーに出たことなかったのもあって不安だったんですけど、クックルックと一緒なら回りたいなあと思ってました。

 

伊藤

で、内村くんと吉祥寺に飲みに行って話をしたんだよね。

cook look happening!

16年3月、埼玉県草加にて結成。
メンバーは柏眞史(Vo./Gt.)、内村勇希(Key./Cho.)、柴本雄太(Ba./Cho.)、太田和洋人(Dr.)。
結成1年の早さで、渋谷O-EAST、渋谷WWWでの公演を果たす。
17年3月、1st E.P.「Second Wave」を制作。
7月、UK.PROJECT主催のオーディション「Evolution! Generation! Situation! Vol.2 supported by Eggs」のファイナリストに選出される。
10月、2nd E.P.「DRAWN」を制作。
バンド初となる自主企画イベント「Bark! Hachi! Bark!」を開催。
18年3月・5月に大阪でのライブを敢行。
19年1月、3rd E.P「c」を制作、初の全国流通盤となる。
1月末から、京都、名古屋、大阪、東京を巡るツアーを予定。
3月8日、初のワンマンライブを新代田FEVERにて行う。

もともとの出会いは、前に僕らがUKFC on the Roadのオーディションの時に出会っていて、それがきっかけでスロロリスを知りました。

バンドとしても面白い動きがしたいなと思っていた時に、前々から別のバンドがスプリットツアーをやっているのを観たりしていたので、声をかけてもらった時は嬉しかった。(笑)

 

伊藤

新作をレコーディングしていたのもあったんで、すごく嬉しかった。

でも、本当ツアー決まっていたけど、完成がギリギリになって…

大変だったなあ (笑)

 

イッセイ

レコーディングが終わってないと、すごく焦るね(笑)

ツアーを終えて、何か思い出に残っていることはある?

 

正直さ、ライブが終わってからは帰りのことで頭いっぱいだったよね。

それくらい体力的にも、精神的にも鍛えられるツアーだったなあ。

 

伊藤

大阪を拠点に民泊しながら、活動していたんですよ。

大阪が名古屋と京都の中間地点だったのもあって、その移動距離が大変でした…

 

それもそうなんですが、ツアー中、伊藤くんの行動が信じられなくて、精神的に鍛えられた(笑)

 

イッセイ

なにそれ(笑)気になる。

 

名古屋のライブが終わって、中1日だけ完全オフがあったんだけど、

その時に伊藤くんが「俺、友達に会ってくるわ」って夜、抜け出したんです。

そしたら、深夜にテレビ電話かかってきて、出たら伊藤くんの地元の友達とカラオケで酔っ払っている伊藤くんが映ってました。

 

伊藤

カラオケは「まねきねこ」ね(笑)

 

テレビ電話した時にはカラオケにいた友達はみんな潰れていたみたいで、

伊藤くんだけはなぜか元気で…。

 

伊藤

物足りなかったんだよ。

 

「僕の歌聴いてよ!」って言ってたよ。

 

伊藤

頭の中、結構ハッピー野郎なんで(笑)

BUMP OF CHICKENであそこまでノレるのは多分僕しかいないと思う。

 

内村

地獄だったよね。

親戚感がでてきましたね。めちゃくちゃゲームやりましたし。

 

 

イッセイ

他のメンバー同士はこのツアーで仲は深まった?

 

もうツアーいっしょに回ることで親戚感がでてきましたね。めちゃくちゃゲームやりましたし。(笑)

あとは、それぞれの同じパートのメンバーで盛り上がってました。

ドラムはドラム同士、ベースはベース同士で。でも伊藤くんは内村と話していたよね

 

 

内村

夜の22時から4時くらいまで制作のことでしっかり話してたね。

 

伊藤

僕らって同じDTM(音楽制作ソフト)を使うバンドだけど、スロロリスって、空間を埋める音楽なので、

クックルックとは明らかにサウンドが違うから、そこの部分ですごく話を聞いていて、勉強になった。

 

イッセイ

僕もツアーファイナル観てた時に、バンドの楽曲のジャンルが全然違うなって思ったな。

だいたいこういうのって近からず、遠からずのジャンルというか、似たバンドが組むことが多いのに。

凄くそこでライブが幅広く感じて面白かった。

 

一緒にやれたのは、フィーリングだね!ノリで行こうっていうのがあったんだろうな。

個人的にも僕はスロロリスの音楽が大好きなんで!

俺ら次に演奏するの嫌だなって内心思ってたから

 

 

伊藤

基本的にクックルックは演奏が上手いんで、僕個人としても刺激を受けてたかな。

次に演奏するの嫌だな」って内心思ってたから。

曲名:YOU

それに関しては俺らも一緒で、毎回のライブで「どこを進化させればいいんだろう?」って課題が出てきたんだよね。

というより、ジャンルは違うけどバンドの編成は一緒だから、本質もそんな離れていないんじゃないかな?

 

伊藤

ライブによってアレンジとかは変えた?

 

いや、基本は変えてないよ。

 

内村

でもスロロリスの後とかに演奏するってなると結構スローテンポな曲が多いから、そこでいきなりアッパーな感じでお客さんが困惑しないように、BPMとかは変えてたよ。

 

伊藤

気づかなかった…

 

そういう話している時、伊藤くんは名古屋行ってたもん。(笑)

 

伊藤

(笑)結構俺らもライブで重くなりがちだから、クックルックの後はタイトなリズムでやるか、少しゆるいリズムでやるかは

その時に決めていたよ。

 

早川

クックルックはアッパーで勢いのあるライブには勝てないから、スロロリスでもどうやってそこで当たらないようにするかっていうのは考えたし、難しかったよね。

 

伊藤

クックルックはリズムが8分が多いけど、僕らはテンポは早くなくても16分のリズムが多かったりするんで、そこは別の角度からノリやすさを表現したかった。

 

イッセイ

スロロリスとしては、クックルックみたいなダンサブルな曲もやっていきたいなとかはあったりするの?

それとも、シューゲイズのサウンドで世界観のある音楽をやっていくの?

 

伊藤

あー、僕個人的にはシューゲイザーって別に好きってわけじゃないんですよ!

え?

 

伊藤

空間系の音とかは使っているんですけど、帯域を埋めるためっていうのも意図としてはあるんですけど、これから全員が気持ちよく演奏できるようになったら、もっとドライなサウンドにしたいとも思ってる。

 

早川

今はウェットだからね。

 

伊藤

そうだね、今はびちょびちょだね。

今の音源に合わせすぎてるのもあるしね。

 

そうだとしたら、結構今回出した「Beautiful」はドライな部分が多いよね。

ポップな感じもするし。

 

曲名:hurdie gurdie.

伊藤

そうだね。今回はモワッとしてしまうと、何をやっているのかわからなくなると思って、コード重視だった作曲方法からDTMでリズムを作っていくっていうのをこのアルバムでは目指していたね!

 

俺は「H O T」っていう曲が今までのスロロリスとは違うなって思うもん。

 

早川

「hurdie gurdie.」がこれまでのコード感を大切にした曲で「water」や「Beautiful」では

それよりも後(DTMによる作曲)にできた曲なんで、そういった二面性があるアルバムになったんだと思います。

逆にクックルックは今回どういう風にアルバムを作ったんですか?

 

Beautiful E.P Trailer

俺らは毎回なんだけど曲作るときに「曲に対する想い・世界観」をまずはメンバー全員でがっちり共有するの。

その共有したことを表現するには

「どういう音を出したらいいだろう?」「どういう歌詞で表現したらいいだろ?」っていうのを考えるんだよね。

伊藤

毎回ビートは柏くんが作ってくるの?

 

いつもジャムをするときに、「こういうの作りたい」っていうイメージをいくつか頭の中に入れて、あとはメンバーで手探りで作っていく感じが多いかな。

 

伊藤

じゃあ1回、家に持ち帰って、DTMを打ち込むってことは・・・

 

しないねー

スタジオ入るときには前回やったものを思い出して作るかも

 

早川

そういうところがライブ感につながっているのが伝わるんですね…

 

打ち込みとかは出来上がってから組み立てることもあるからね。

 

伊藤

それ忘れちゃわない?

 

いや、ちゃんと撮っておくよ(笑)

それこそ、「c」の「Golden Coast」っていう曲はまさに「西海岸」でドライブをしているイメージっていうのをメンバーに伝えて作ったよ。

音源だと波の音とか、カモメの鳴き声、車に乗る瞬間の音とかいれることで、その世界観を表現できる楽しさも知れた作品になったな。

 

 

スロロリスはいつもどういう風に曲作りしているの?

 

早川

伊藤くんがベースラインとか骨組みを組んできて、実際に合わせて行くことで肉付けしてるのがほとんどですね。

ある程度もう決まっている感じがあって、それを実際に演奏して伊藤くんの中で違かったら調整していくような感じ。

 

伊藤

全体の”和”で考えているんだよね。

「誰か」を目立たせたいというよりも、「曲」を目立たせたいっていうのが強くて…

 

早川

音源とライブでどういう音にするのかっていうのはつ意識してて、

ライブの時の空間を作る音だと、音源になると何が何なのかわからなくなっちゃうっていうのもあるから…

 

あーなるほど、それは確かに大事かも。

 

伊藤

でも、やっぱり「楽しい」方が「楽しい」んだよね

 

内村

「パリピ」の考え方だね(笑)

バンドのルーツは「生活感」と「多様性」

スロロリスの音楽って何がルーツなの?

 

伊藤

ドイツのApparatっていうDJがいるんだけど、そのアーティストが組んでいるバンドがアンビエントな感じで好き。

そこから始まったっていうのがあるかな。

 

早川

色んな人に生活感があるって言われるのはそういうところから来ているのかも。

 

内村

確かに、スロロリスのMVってとリンクする部分が多いよね。

一人暮らしの物語というか…

 

本当の伊藤はカラオケで「あ〜い」って言ってるけどね(笑)

 

伊藤

クックルックは逆にどういう音楽を聴いてきたの?

 

俺らはメンバーみんなバラバラ。

俺はベルギーとかヨーロッパの音楽が好きで、ベースはミスチルとかの邦楽、ドラムがレッチリとかUSロック、内村は…

 

内村

僕はブラックミュージックだね。

人と音楽を演奏するようになったのが大学生の時で、そこでブラックミュージックに触れてたところからハマったかな。

 

だからよくリズムが食って入るときあるの。(笑)

 

伊藤

もうすでにワールドミュージックだね。(笑)

 

でもだからこそ面白くて、あんまりメンバーが一緒の音楽性しているとつまらないなって思っちゃう。

一人一人が違う音楽を聴いてきて、それを作品にするから「バンドやっているな」って実感できる。

自分が触れてこなかったものを排除しちゃう考えっていうのはダサイって本当に世のバンドに言いたい。

早川

だからこそ、最初に整合性をとって、音楽に落とし込むから、一貫性のある作品になるんですね。

 

本当にそれは大事!(笑)

2つのバンドの未来とは

 

ツアー終わった今、スロロリスはどんなことを予定しているの?

 

早川

まずは配信とか、ライブ以外のところでコンテンツを発信しようと考えてます。

もっと手軽に曲を聴いてもらいたい。と思ってて…

ライブも今までやったことない場所でやっていきたいです。

 

伊藤

1曲出したらそれですぐに配信できるから、もっと音楽のジャケットのデザインができる楽しみも感じてる!

 

早川

単純に活動の幅が広がったら聴いてもらう人も増えますしね。

クックルックは何か予定はあるんですか?

 

個人的にはもっと海外に視野を広げていきたいなっていうのが野望としてあるよ。

すごく大雑把な話になるけど、全世界192カ国あったら、その分だけ聴いてもらえるチャンスがあるなと思ってるんだよね。

「音楽」をインフラの一種にして、電気・ガス・水道・音楽みたいにならないかな。って(笑)

 

伊藤

ヘェ〜すごい(笑)

 

ドイツとかって結構そういう芸能を海外に輸出するというか、外に出すっていう考えに対してオープンで、

海外でライブやるってなった時に国が援助してくれたりするんだよ?すごくない?

 

伊藤

日本ではないね(笑)

 

全くないよね。(笑)

今は聴くことはできるけど、ライブをする機会って難しいし。

 

伊藤

逆輸入を目指すの?

 

「逆輸入」は日本で売れるための道筋でしかなくて、僕らはある意味、海外に対して「輸出するバンド」でありたいんだよね。

世界の音楽事情とか知るの好きだし、そこから自分たちの音楽のエッセンスにしていきたい。

 

伊藤

なるほどね。絶対的に海外と日本とじゃ、音楽の聴く文化も違うしね。

 

そう。なんだか本当に生活に根付いている感じがするんだよね。

だからもっとそれをどうしたら僕らが発信できるのかっていうのが今後の作品にも出てくるかな。

 

伊藤

もう次のリリースの構想とかは考えてあるの?

 

次作るのは日本の音楽と海外の音楽を掛け算したものにしたいなと思ってる。

三線のプレイヤーにゲストとして参加してもらったり、日本の文化を取り入れて、それこそ海外に輸出できるサウンドを目指したいかな。

結局楽しいことをしていたい。 (笑)

 

伊藤

音楽って単純に「楽しい」と思う回数は少ないなって思うんだよ。

でも、本当に我慢してきたものが一気に弾けると「音楽って楽しい!」ってなって、抜けられなくなる。

音楽を楽しむのって「9割は辛いことをやり続ける」ことなんじゃないかなと思うんだ。

 

その楽しさがでかいっていうのはわかるなあ。

バンドの目標としてはスロロリスはこれからどこを目指すの?

 

伊藤

かっこいいバンドと一緒に演ったり、コラボしたりとか、自分たちのシーンを作りたい

 

早川

今まではブッキングで呼ばれて、それに対して演奏をさせてもらってたんだけど、これからもっと上を目指すには、そこから脱しないとなって思ってます。

 

伊藤

去年、メンバーと話した時にこれからのバンドの話をしたんだけど、

もっとプロ意識を持ってステージに立つっていうのはメンバーで固めたんだよ。

そのためにも自分たち含め、もっと上にいって、バンドシーンを作りたいっていうのはあるかな。

憧れのままではダメなんだなって思う。

 

今まではどうだったの?

 

伊藤

今までは単純に売れたいっていうのがあってライブをしていたかな…

 

早川

誰になりたい。っていうよりも、自分達の向かいたい方向があって、

そこに対してどうアプローチを仕掛ければいいのかを考えるようになったっていうのはありましたね。

 

確かに。売れているアーティストのかっこよさってジャンルで括れなくない?

 

伊藤

ああ、そうかも!

 

変な話、そのアーティストが1つのジャンルになっているんだよね。

 

 

早川

ミスチルはあくまでミスチルというジャンルってことですよね。

 

スロロリスがそこまでいったらオリジナリティのあるバンドになって、もっとそこに人が集まってくるんじゃないかなって思う?

 

伊藤

俺らが戦っていかなきゃいけないのは、あくまでプロのミュージシャンも含まれているからね。

 

伊藤

クックルックは今度の新代田FEVERでのワンマンでは、リリースすることは告知するの?

 

うん、もう告知して近々、作ってしまおうかと思ってる!

 

伊藤

おお!いいね!

ライブ後のテンション上がっているときにリリースの発表あったら、テンション上がるよね。

 

それもあるし、やっぱり締切を感じて制作したほうが「いい曲」ができると思うんだよね。

 

伊藤

いつ頃に完成を目指すの?

今ここで人もいるから、宣言しちゃおうよ。

 

内村

まあでも、リアルな話もあるからここで宣言しちゃうとマズイかもな(笑)

 

じゃあ2年後の春!(笑)

 

伊藤

ながっっ! (笑)

音楽シーンをつくるということ

バンドはそれぞれ個で闘う時代から、よりチームで闘っていく時代になったんじゃないかな。

音楽が簡単に手に入る時代だからこそ、多様に信じあえるし、認め合える。

大事なのは「競争」よりも「共存」を選択していけるのか。

 

それは人数が増えれば増えるほど難しくなってくる。

視点が異なる2組の先はきっと、これからわかることになるんだと思う。

 

今回、急な飛び込み営業にもかかわらず、快く対談を引き受けてくれた2組に猛烈な感謝を込めて。

 

 

 

 

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