PeopleJamに話を聞いてみた!ーこのバンドは世界を舞台に進化していく

インタビュー

世の中のバンドは日本で売れることから始めようとせず、ぜひ世界に顔を向けてほしい。

海外で認められたら、日本のテレビなんて土下座して頼み込んでくるし、音楽の市場っていうのは本来もっと広い。

YouTubeでは1000万回再生されているアーティストだって、インディーズ扱いっていうのも海外の特徴だ。

国土が狭いこの日本で、元から少ない椅子を狙うよりも、世界に目を向けて結果を出したら、日本帰ったらフッカフカの椅子が用意されているぞ。

海を渡れ!世は大音楽家時代である!

 

音楽の壁は10年前に比べて、薄くなった。もうあとは思春期の中学生のパンチ一発で割れてしまうくらい薄い壁に見える。

なぜなら今はストリーミング配信ができるからだ。

CDの温かみが〜とか言うてる奴はまず、テープで録音して音源手渡しで売ってろ。

 

ここからは大真面目。

今、海外で評価されつつあるバンドに、話を聞きに行って来た。

彼らは日本で活動する傍ら、海外に目を向けている正真正銘日本人エレクトロファンクバンド「PeopleJam」だ。

 

L→R TOMMY(Gt)、AYANA(Gt), JIK(Vo,Synth), KEN a.k.a KAYCO(Dr), THOM(Ba)

PeopleJam

This Is Electro Funk!!
ロックとエレクトロが刺激的な化学変化を起こすエレクトロ・ファンク。
さあ、踊ろうぜ!
横浜〜東京をベースにアジア各国やスペインなど海外のフェスにも出演、
精力的にライブ活動を重ねる男女5人からなる electronic rock band、PeopleJam 。
極彩色のインパクトを持つシンセフレーズに、パッドドラムを用いたテクニカルな人力ビート、抑制の効いたファンクネスを誇るベース、個性の異なる2本のギターが重なり、ロックの高揚とエレクトロダンスの快感を高次元で融合する。

 

世界に目を向けるバンドPeopleJamに話を聞いて来た

L→R JIK AYANA TOMMY

イッセイ:結成から教えてください!

 

JIK:結成はドラムのKEN(写真右)とメンバー募集サイトからはじめました。

最初はライブハウスで働いていたんだけど、あまり自分の中でピンと来るバンドがいなくて、自分でバンドをやろうと思いました。

TOMMY:僕はセカンド(Idiotwerk)をリリースする前に、TwitterでJIKがギターを探していて、前からお互いフォローはしていたんだけど、ツイートを見て「やってみよっか」ってなって、今に至りますね。

 

AYANA:私はずっとバンド活動をしていなかったんですが、PeopleJamのギターが抜けるという話を聞きました。
「ギター弾きたいな」とは思っていたんだけど、曲の予習をガッツリしながらしばらく様子を見ていました。KENさんに「まだ募集してますか?」って聞いたら「やる?」って聞かれてそこから「やります!」ってすぐに加入しましたね。

 

JIK:お互い入ってほしいなって思ってたんだよね。

 

AYANA:お互いの共通の友人はそれぞれの様子を知っていて、お互いずっと「どうしよう…」ってなっていたようですね。(笑)

 

イッセイ:日本人的な奥ゆかしさがあったんですね(笑) 音源を聴いていても、毎回のCDごとにコンセプトというか、曲調がガラッと変わるのが面白いなって思うんだけど、これはいつもどういう形で制作をしているんですか?

 

JIK:特にうちはメンバーチェンジが多いバンドなんで、アルバムごとに参加しているメンバーも違うし、自分がやりたくなる音楽もリリースの度に変わってきましたね(笑)

自分も最初はギターを弾いてたんだけど、今はシンセサイザーを使って、機材もスタイルも変わっています。

最初はファンクっぽく生音も混ざったジャンルだったんですが、最近ではエレクトロに定まってきています。

元々僕自身はジャムバンドのMedeski, Martin & Woodロザリオスとかが好きで結成したはずなのに、今は全く違う音楽でやってる(笑)

でも、今はどんなジャンルからでも面白いものを取り入れているから、ルーツも一概には言えなくなってきました。

それが今のPeopleJamだと思います。

 

 

Medeski, Martin & Wood

 

LOSALIOUS

 

 

TOMMY:毎回、JIKが曲を持ってきていて、全体の方向性だったり、メインで行く曲を持ってきます。そこからコンセプトが決まっていきますね。急に音楽性を方向転換するんじゃなく、だんだん作る曲がまとまって来ると、「次はこんなことしたいんだろうな」っていうのが見えてくるんです。

 

イッセイ:へぇ、じゃあそれって他のメンバーもついていけるの?

 

JIK:TOMMYの対応力の高さにはいつも驚かされてます。(笑)

 

AYANA:私は今回しっかり自分たちで曲を制作するバンドっていうのは始めてなんです。これまではゴリゴリのパンクを聴いてたんですが、彼らのライブを観ていて「かっこいいな」ってずっと思ってました。

挑戦的な制作を試みたNEW E.P「Broken Sphere」

イッセイ:救われている感がすごい(笑)そんな中でも、今回最近リリースした「Broken Sphere-EP」でも新しい試みをしたんだとか。

 

JIK:本当は年内に3rd Albumの制作をしたかったんだけど、ベースのTHOMが育休期間に入って、スタジオ入れなくなったんです。(笑)どうしようかなって思った時に、1日でとりあえず4曲のベースとなる部分を作って「あ、この4曲EPにできるな」って思ったんです。スタジオには入れないからって何もしないのは良くないなって思って、バンドメンバーには全員一切スタジオに入らないでもらって、各々のDTM環境だけで制作をしました。

 

イッセイ:へぇ!新しい!バンドだからスタジオ入るっていう前提を崩しに来てるんですね!

 

曲名:Broken Sphere / PeopleJam

 

JIK:今はApple MusicやSpotifyでのサブスクリプションでのリリースが主流の中で、もっとフットワーク軽くリリースをしたかったんです。

 

イッセイ:他のメンバーはJIKさんの話を聞いた時はどんなリアクションだったんですか?

 

AYANA:私は最初話を聞いた時、すごく面白いなって感じたんです。今の時代、スタジオ入って合わせるのが全てじゃないな。って思ったんです。

 

イッセイ:ひとまず挑戦してみたかった?

 

AYANA:そうですね。ただ、制作する環境を揃えるのには苦戦しました(笑)

 

JIK:とりあえず、簡単な機材(DAWとオーディオインタフェース)だけ買ってもらってね。

 

TOMMY:でも、スタジオに入っている時って「もっとここ、こだわりたいな」って思う箇所は絶対に出てきて、でもその場では曖昧なことしか試せなかったんです。今回の制作では「そもそものリズムを変えたい」とか「音色を変えたい」っていうのは、自分達の曲でも客観的に捉えることが出来ました。ある程度まとまった状態で聴くと、細かいところを冷静になって聴けるっていうのは楽しかったかもしれません。もちろん、スタジオ入って曲を作ってきた経験があるから気付いたことだけど、すごく今後の制作の幅も広くなったかなと思います。

 

 

イッセイ:でも、PeopleJamの雰囲気に合っているよね。顔を見ないで制作するのは、音楽性とマッチしている。

 

JIK:とにかく動いてよかったなって思います(笑)

 

簡易なセットで挑むバリエーション豊富なライブパフォーマンス

イッセイ:ちなみにPeopleJamのライブについても聞きたいんだけども、何でそもそもサングラスをかけているんですか?野暮なこと聞いてごめんね(笑)でも多分、ファンの人とかこれから初めて知る人は気になるかも。

 

JIK:何でだろう・・・覚えてないな。(笑)

 

TOMMY:でも、自分たちのパフォーマンスで覚えてもらうために、照明にこだわるのか、ステージングにこだわるのかで悩んでいた時に、「なんか光るものつけたらそれっぽくない?」って言ったんだよ。そこからは「よくね?」ってなってましたね。

 

イッセイ:でもそこって間違ってないと思う。IdeiotwerkのMV見たときもシュールかつ大胆な構成でしたし、ライブで見た時に意外とサングラスかけてるのっていないから、「違うのが来たな」って思うもんね。

 

曲名:Idiotwerk / PeopleJam

 

JIK:そしたら、このまま続けようか(笑)

 

イッセイ:でも、バンド形態でのライブ以外にも違う形でライブも行っているんですよね?

 

JIK:はい。MobileSetという形態でもライブを行ってます。ドラムセットのないライブハウスでも演奏を頼まれたことがあって、PADを使用したライブは出来ないかって考えたんです。

で、PADでのライブ自体はJames Blakeとかもやっていたので、ひとまずやってみようと思ったんです。本当に簡易的な機材でライブができるんで良かったです。ちょうどAYANAも入った時期っていうのも合って3人で始めたました。

Mobile Set

 

イッセイ:話聞いてても、毎回、導入してからお客さんへの披露まで速いですよね

 

TOMMY:とにかく、やってみようからスタートします。スタジオに入って初日に新しい曲持って来て「次のライブでやろう」ってなるのがとにかく速い。でも、多分そうでもしないと自分達にとっても良くないっていうのがわかっているんだと思います。

海外のフェスに多く出演する彼ら。なぜ海外を選んだのか?

PeopleJamは国内だけでなく、海外でも評価の高いアーティストである。世界を見て来た彼らだからこそ、スピーディーに変わっていく世界の音楽シーンに敏感なのかもしれない。

イッセイ:最初の海外ツアーはどういう経緯で出演になったの?

 

JIK:オファーが来たっていうより、仲のいいMarikov(マリコフ)ってバンドが台湾ツアーをやっていて、彼らに面白いよって言われたのがきっかけでした。「SpringScream」っていう日本のバンドは特に出やすいフェスがあるんです。

それが最初の海外ライブでしたね。台湾でも平日の月曜日の最後らへんの時間にブッキングされて、10個のステージ合計しても、観客が2~300人しかいなかったんです。その時に知り合ったバンドがライブのMCで紹介してくれたおかげで、観客もたくさんいて、成功っていう形で終われましたね。

 

イッセイ:そこから台湾ツアーをコンスタントにやるようになったの?

 

JIK:いや、そこでTOMMYが加入する前のギターが抜けて、3~4年行けなくなったんです。でも2015年に韓国のフェスに出るようになってからは、コンスタントに行くようになりました。

 

イッセイ:来年の海外ツアーに繋がってくるんだよね。

 

JIK:そうですね。これまでは台北で一1ヶ所のみっていうのが多かったんですけど、来年は3ヶ所回ります。

最近では友達が日本人より台湾人の方が増えて来てます(笑)

 

TOMMY:今年の初めにも行ってて、ここからはより台北のライブハウスで対バンと友好的な関係も築けたらいいなってのは思います。

イッセイ:今後のPeopleJamが楽しみですね・・・逆輸入バンドとして海外アーティストとして売れてそう…

今後のPeopleJamは将来、どんなバンドを目指して行くんですか?

 

AYANA:私はとにかくPeopleJamで踊らせたいっていうのがあります。

ライブ中だけじゃなくて、イヤホンを通した時にも踊れる音楽っていうの作っていきたいかな。

 

JIK:去年から中国からもライブを誘われてたり、来年には今まで行ったことのない国でのライブも模索中で、動いていたりしてます。

あとバンドを辞めないってところですね(笑)

ネバーギブアップ(笑)

 

彼らは頭で考えるのではなく、なんとなくで体が動く世界向きのバンド

インタビューをしていて思ったのが、彼らはとにかく新しい機材・環境での適応能力が半端じゃない。

正直、居酒屋の笑笑で飲んでるときだって、なんとなくで音楽を演奏できるくらい、メンバーそれぞれが音楽をやる技術を持っている。

 

ミュージシャンにとって、曲とは自分の命である。曲に生活をさせてもらうし、支えてくれる。

まさに、彼らの生活は音楽漬けの生活とも言える。

スタジオ以外でも音楽を制作し、リリースできる彼らこそ、今後日本だけじゃなく、世界で賞賛を浴びるバンドになる可能性があると僕は思う。

 

JIKくんはインタビューが終わった後、電車の中で新曲の制作をしていたら、電車を乗り過ごしたらしい。

それだけ、音楽に取り憑かれた彼らのライブに一度、足を運んでみたらどうだろう?

 

 

2019年2月13日には渋谷LushにてインドネシアのLightcraftとの対バンも決まっているPeopleJam。

これから、海外で知らぬ間に売れちゃって「えーPeopleJam知らない日本人がいるのかい?So crazy!!」なんて言われないように今のうちから予習しておこう!